深海魚は地上に出るとどうなるのでしょうか?
水圧でなぜつぶれないのか、仕組みも気になりますよね。
今回は、深海魚は地上に出るとどうなる?水圧でなぜつぶれない仕組みは?についてまとめていきます。
深海魚は地上に出るとどうなる?
深海魚が地上に出ると生命を維持することはとても難しくなり多くの場合生存することはできません。
理由は以下の通りです
- 圧力の変化
深海は非常に高圧な環境で、深海魚はこの高圧に適応して生きています。
しかし地上に出ると、急激に低圧になります。
深海魚の体内には、気体が充填された空間(液胞)がありこれが地上の低圧環境に晒されると膨張し、生物自体が「爆発」することがあります。 - 食物の問題
深海魚は深海特有の食物を食べて生きているため、地上では適切な食物を見つけることが難しいです。 - 光の変化
深海魚は暗い環境に適応しているため、明るい地上では目がうまく機能しないかもしれません。 - 温度の変化
深海と地上とでは温度も違うため、体温調節にも問題が出てきます。
これらの理由から、地上に出た深海魚が生きていくのはとても難しいと言えます。
深海魚は水圧でなぜつぶれないの?
深海魚が高い水圧でつぶれない理由はその体の構造と生物学的な適応によるものです。
具体的には以下のような点が考えられます
- 体の構造
多くの深海魚は体が非常に柔軟で高圧に耐えられるようになっています。
骨や筋肉が軟らかい種類もありこれも高い水圧に適応するためです。 - 気体の排除
高圧に耐えるためには、体内の気体をなるべく排除することが重要です。
なぜなら、気体は圧力がかかると容易に圧縮されてしまうからです。
深海魚は体内の気体を排除する能力を持っており、これによって高圧に適応しています。例えば、泳ぎ袋(水深を調節するための空気袋)を持たない種類が多いです。 - 体内の圧力調整
深海魚の体内には、体外の圧力と同等またはそれ以上の圧力を保つことができる組織や液体があります。
これにより、体内と体外の圧力差を最小限に保ち高圧でつぶれることを防いでいます。
これらの適応により、深海魚はその厳しい生息環境で生きていくことができるのです。
深海魚の体の仕組みは?
深海魚は、その厳しい環境に適応するためにさまざまな体の構造を進化させてきました。具体的な特徴を見てみましょう。
視覚
多くの深海魚は、自然の光がほとんど届かない深海で生活しているため、視覚に頼らずに獲物や仲間を見つけ、捕食者から逃れる必要があります。
そのため、多くの深海魚は地元の圧力や匂いの変化に敏感な感覚を持つことで、食物を捕らえたり、自分が捕らえられないようにする能力を進化させています。
視覚があるものでも、その目は非常に大きく敏感で、生物発光の光を利用することができます。
これらの目は、人間の目よりも約100倍も光に敏感です。
生物発光
多くの深海魚は生物発光を持ち、暗闇に適応した非常に大きな目を持っています。
彼らは、ルシフェリンという分子の揺れることで生物発光を生み出す能力を持っています。
このプロセスは酸素の存在下で行われます。
生物発光の能力は、食物を探したり、獲物を引きつけたり、領域を主張したり、メイトを見つけたり、捕食者を混乱させて逃げるために使われます。
浮力
深海魚のライフサイクルは、全て深水域で行われることが多いです。
これらの魚は、プランクトンとしての生活を送るために中性浮力を必要とします。
深海魚は、高圧の環境下で泳ぎ袋を発達させることが難しいため、水力学的な揚力を提供するためにハイドロフォイルに似た構造を発達させます。
また、魚が住む深さが深いほど、その肉はゼリー状になり、骨格は最小限になることが知られています
食事と栄養
深海魚は上層部から沈降する有機物、あるいは稀に熱水噴出孔から得られる栄養に頼らざるを得ません。
このため、深海魚は食物を見つけるための適応を持っています。
例えば、アンコウは獲物を誘うための生物発光器官を持っています。
深海魚は地上に出るとどうなる?水圧でなぜつぶれない仕組みは?まとめ
深海魚は地上に出るとどうなる?水圧でなぜつぶれない仕組みは?についてまとめたものはこちら!
深海魚は、圧力が高い深海環境で生きるために進化してきました。
この圧力に対応するため、深海魚はガス充填空間を持つことで圧力調整をしています。
しかし、この環境から地表に持ち上げられると、低圧環境でガスが急激に膨張し、魚は「爆発」することがあります。
つまり、深海魚はその生息環境から大きく変わると生存できないのです