皆さんは「鶴の恩返し」という昔話をご存知ですか?多くの人がその存在を知っていると思いますが、「言われてみるとどういう内容なのか曖昧」という人も多いかもしれません。
今回は鶴の恩返しのあらすじなどについて紹介します。
「鶴の恩返し」のあらすじ
鶴の恩返しは、ある日お爺さんが罠にかかった鶴を助ける場面から始まる物語です。その後、老夫婦の元に一人の若い娘がやってきて、若い娘は家に泊めてもらう代わりに夫婦の世話を甲斐甲斐しくします。そんな中、若い娘が老夫婦のために布を織るのですが、その際に部屋に閉じこもり「布を織る間、絶対に中を覗かないでください」と老夫婦に言うのです。
娘が織る布は大層美しく、ある時老夫婦は「どうやってこんな布を織っているのだろう」と約束を破って部屋の中を覗くと、そこにはお爺さんが助けた鶴が。正体を知られた鶴は老夫婦の元を去ってしまう……鶴の恩返し はこういったあらすじです。
鶴の恩返しの教訓は?
王様の耳はロバの耳などもそうですが、長年語り継がれる昔話にはなんらかの教訓があるものです。鶴の恩返しの場合は、やはり「約束は破ってはいけない」ということでしょうか。
「鶴の恩返し」の話にも色々種類がありますが、物語の最後にお爺さんやお婆さんが「中を覗かないで」という娘の約束を破って中を覗いてしまうという展開は「鶴の恩返し」であれば共通していることでしょう。
中を覗いてしまった結果、正体を知られた鶴は去ってしまいます。当然それまでのように世話もしてもらえなくなりますし、綺麗な布も得られなくなります。中を覗いた結果、お爺さん達は得られるはずだった物を失いましたし、当然寂しくもあったでしょう。
「優しくすること」の大切さも伝えてくれる
ただ、鶴の恩返しというのはそういったネガティブな物だけを伝える物語ではありません。冒頭でお爺さんが罠にかかった鶴を助けた結果、お爺さんは例えずっとではなくとも、生活は楽になったでしょうし布を売ってお金も得られました。「人のために為すことは巡り巡って自分にも良いように返ってくる」といった話と考えることもできます。
鶴は自分の羽を使って綺麗な布を織っていました。我が身を省みないその方法ではいつまでも続けることは出来なかったでしょうし、ある程度で解放してやれたというのも悪くはなかったのかもしれません。
恩に報いる価値観も
鶴の恩返しは、鶴の目線で考えると「親切をしてくれたお爺さんにお礼をするお話」ということになります。自身の正体を隠したり、我が身を削ってまでお礼をする必要はないかもしれませんが、「親切なことをしてもらったらお礼をする」というのは大切なことですよね。そういった恩に報いる価値観についても、鶴の恩返しは教えてくれているのかもしれません。
鶴の恩返しの使い方は?
お子さんに鶴の恩返しの話をした際には、やはり最後に鶴が帰ってしまう場面が強く印象に残ることでしょう。我が子に「約束を守ることの大切さ」を教える際や、やってはいけないことを強調する際には「お爺さんも覗いたら駄目って言われたのに覗いちゃったから鶴が帰っちゃったでしょ」と言えば効果てきめんかもしれませんね。
動物に優しくすることの大切さを教えられるかも
「動物に優しくするといいことがあった」という系統の話なので、動物に優しくすることの大切さを鶴の恩返しを通して教えることもできるかもしれません。「動物に優しくする昔話」と言えば、亀を助けたことがきっかけで龍宮城へ行くことになる「うらしまたろう」ですが、そちらは話の最後が少々怖いですからね。
鶴の恩返しのあらすじ・結末とは? 教訓や原作、発祥の地についても解説 | マイナビニュース (mynavi.jp)
最後に
今回は鶴の恩返しのあらすじや教訓などについて紹介しました。数ある昔話の中でも優しくて切ない鶴の恩返しは独特の雰囲気がありますよね。これからも鶴の恩返しは多くの人の間で親しまれていくことでしょう。