2020年6月に公開された映画「Mother」。これまで明るい役柄が多かった長澤まさみさんが最低最悪の毒親を演じたことで話題になりました。そして、注目ポイントと本作の制作会社が「宮本から君へ」や「新聞記者」でホームラン級の作品を作り出したスターサンズであることも期待度を膨らませた一作でもあります。そんなMother(マザー)のキャストやあらすじ、実話を元に作られた作品でもあるということで、実際に起こった事件も紹介します。
【映画】Mother|キャストは?
まずは、Motherに出演している主要キャストを紹介します。
三隅秋子/演:長澤まさみ
衝撃的で行き当たりばったり、その場しのぎで生きる女・秋子は貧しいシングルマザーです。そんな彼女は男たちとゆきずりの関係を持ちながら、息子の周平にいびつな執着を見せ、自分に忠実であれと強います。男を追いかけ1週間以上にも及ぶ育児放棄をしたかと思えば、男を連れて帰宅し「新しいお父さん」を息子にあてがう。肉親に金を無心しては拒絶され、男たちにも刹那的な肉体関係以上の人間関係を築くことが出来ない女性です。
川田遼/演:阿部サダヲ
秋子の内縁の夫である遼は、女性関係とカネにだらしなく、秋子や幼い周平を所有物同然に扱うクズ男。
周平(少年期)/演:奥平大兼
秋子の息子で、秋子の歪んだ愛の形しか知らず翻弄されながらも応えようとする周平。彼の小さな世界にはこんな母親に頼るものがありませんでした。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、秋子と周平の間に生まれた絆が17歳に成長した周平を一つの殺人事件に向かわせるのでした。
高橋亜矢/夏帆
児童相談所の職員である亜矢は、周平を気にかけ、周平たちの力になろうと相談に乗っています。
赤川圭一/仲野太賀
ラブホテルの従業員である圭一は、秋子と関係を持ち、ホテルに住まわせています。
【映画】Mother|あらすじまとめ!
ゆきずりの男たちと関係を持つことで、その場しのぎの生活を送る自堕落で奔放な女・秋子。しかし、彼女の幼い息子・周平には、そんな母親しか頼るものはありませんでした。やがて寄る辺ない社会の底辺で生き抜く母と息子の間には、家族を超えた絆が生まれます。そして、成長した周平はある凄惨な事件を起こしてしまうことに。彼が罪を犯してまで守りたかったものは一体何なのでしょうか…
【映画】Mother|実話って本当?モデルは?
結論から言いますと、Motherは実話をもとに制作された物語です。そのモデルとなったのが2014年に埼玉県で起こった「川口祖父母殺人事件」。当時17歳だった少年が祖父母を刺し殺しお金やキャッシュカードを奪って逃げました。加害者の少年がまだ17歳の未成年だったということで、日本中に衝撃を与えた事件でしたね。
【映画】Mother|実際の事件を紹介!
では、「川口祖父母殺人事件」をより詳しく解説していきます。
事件の発覚
事件に気づいたのはアパートの大家でした。被害者夫婦が住む家の新聞が溜まっていることに気づき、長女に連絡した上で警察が調べたことで発覚。しかし、自宅にはきちんと鍵を施錠し、チェーンがかけられていました。このことから、身近な人物が犯人であると推測。防犯カメラを調べた結果、夫婦の次女とその息子が写っていることが判明し、被害者夫婦のキャッシュカードを使い銀行からお金を引き出していることも発覚しました。
事件に至るまでの経緯
犯人である少年の家庭は荒んでおり、愛人の家ばかりにいる父親と働かない母親。生活はどんどん乱れ、母親が父親以外の男性を家に入れるようになり、少年が10歳の時に離婚。その後、母親はホストクラブ通いに明け暮れ一か月戻ってこないことも。少年はその間まともに学校に通うこともできず、生まれたばかりの妹の面倒を見ていたといいます。
母の脅迫と支配
16歳になった少年は働き始めますが、そのお金は全て母親の交遊費に消えてしまう日々。そんな毎日を送っていた時に事件は起こってしまいます。母親の指示でとうとう祖父母の殺害と金の強奪事件を起こしてしまうのでした。少年は、母親に脅され支配されていたのです。さらに、奪ったお金を母親に使われてしまうという、少年にとっては生き地獄のような毎日だったのかもしれませんね。
判決
結果、母親と少年2人が逮捕され、少年には懲役15年。母親は強盗と窃盗罪で懲役4年6か月という判決が下りました。
最後に
今回は、Mother(マザー)のキャストやあらすじ、実話であるモデルや実際の事件を紹介してきました。実話を元に制作された本作は、長澤まさみさんが演じる毒親にも衝撃を受けましたが、その息子である少年・周平にも注目が集まりました。実話を先に知るとまた違った見方ができるのではないかと思わせるような一作となっています。